この記事では、屋根の素材による塗装の目的の違いについて解説します。
特に戸建て住宅の屋根材の中で塗装によるメンテナンスが必要な6種類について取り上げています。
屋根のメンテナンスはその素材により塗装の主な目的や効果効能は変わるので、ポイントを押さえておくことが重要です。
スレート屋根(コロニアル屋根)
「スレート屋根」は「コロニアル」という商品名で呼ばれる事もよくあります。
一般住宅の屋根で多く使われているので「屋根の塗装」の代名詞と考えて良いでしょう。
スレート・コロニアル屋根の塗装の目的
スレート屋根の塗装の目的は以下の通りです
- 経年劣化による既存塗膜の再生
- 美観の再生
- 塗装色の変更
好みの色に変更(気分転換)
遮熱性のの追加(薄い色にすると遮熱性能が上がる) - 遮熱塗料などによる機能性の追加
- 屋根材への雨水の浸透・太陽紫外線劣化による、屋根材の反りの予防
- 屋根棟板金がしっかり固定されているかのチェック
- 屋根のヒビ割れ/割れ箇所へのコーキング補修(手当て)
- その他総合的な経年劣化への対応や未然の手当てが可能になる事
アスファルトシングル屋根
アスファルトシングル屋根はスレート屋根とよく似ているように見えますが、素材的には全く違うものです。
スレート屋根と比較したアスファルトシングル屋根のメリットは軽量だという事と、素材が柔らかいのでヒビや割れが無い事です。
ただ、アスファルトシングル屋根は劣化が進んでしまうと、和室の砂壁のように石粒が取れてしまうのが止まらなくなります。
アスファルトシングル屋根の塗装の目的
アスファルトシングル屋根の塗装の目的は以下の通りです
- 経年劣化による表面石粒の接着力低下の防止
- 美観の再生
- 塗装色の変更
好みの色に変更(気分転換)
遮熱性のの追加(薄い色にすると遮熱性能が上がる) - 遮熱塗料などによる機能性の追加
- 屋根棟板金がしっかり固定されているかのチェック
- その他総合的な経年劣化への対応や未然の手当てが可能になる事
ガルバリウム鋼板屋根
ガルバリウム鋼板の屋根もスレート屋根に似たデザインです。
特徴は、軽い事と表面の塗装の寿命が長い事です。
新築時からおおむね15年程度は無塗装で問題ありません。
ガルバリウム鋼板屋根の塗装の目的
ガルバリウム鋼板屋根の塗装の目的は以下の通りです。
- 塗装色の変更
- 好みの色に変更(気分転換)
- 遮熱性のの追加(薄い色にすると遮熱性能が上がる)
- 遮熱塗料などによる機能性の追加
- 錆止め効果(ガルバリウム鋼板が錆びにくいからと言って、錆びない訳ではありません)
- その他総合的な経年劣化への対応や未然の手当てが可能になる事
トタン屋根
トタン屋根のお家は、築30年以上の場合が多くなるかもしれません。
トタン屋根(金属屋根)の天敵は錆びですね。
ただ、何度も塗装を繰り返すと塗料が剥がれやすくなるので、頻繁に塗るのも良くないと言えます。
トタン屋根の塗装の目的
トタン屋根の塗装の目的は以下の通りです。
- 錆止め効果
- 錆びて穴が開いてしまった部分の補修・交換など
- 塗装色の変更
好みの色に変更(気分転換)
遮熱性のの追加(薄い色にすると遮熱性能が上がる) - 遮熱塗料などによる機能性の追加
- その他総合的な経年劣化への対応や未然の手当てが可能になる事
セメント系瓦
日本瓦は塗装をしませんが、セメント系の瓦には塗装が必要です。
セメント系瓦の屋根を塗装する目的
セメント系瓦の屋根を塗装する目的は以下の通りです。
- 経年劣化による既存塗膜の再生
- 美観の再生
- 塗装色の変更(好みの色に変更や気分転換)
- 遮熱性のの追加(薄い色にすると遮熱性能が上がる)
- 遮熱塗料などによる機能性の追加
- 屋根のヒビ割れ/割れ箇所への交換補修(手当て)
- その他総合的な経年劣化への対応や未然の手当てが可能になる事
この記事ではセメント系屋根の中にモニエル瓦(スカンジナビア瓦・パラマウント瓦なども同じ種類)も含めて考えています。
上記瓦については塗装方法などの違いはありますが、塗装の目的については同じだとして書いています。
日本瓦
日本瓦のような粘土瓦は再塗装の必要が基本的にありません。
敢えて塗装をする場合は、色の変更・遮熱性の付加が目的になりそうですが、後日塗装が剥がれる可能性がある事を踏まえるとお勧めは出来ません。
念のため、オリエンタル塗料工業株式会社から【新いぶしコート】と言う粘土瓦専用塗料もある事は有ります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は下記の一般住宅の屋根に使われている代表的な素材の塗装を行う主な目的についてまとめて解説してみました。
屋根の塗装をすると言っても、それぞれの素材によって塗装の効果や目的が少しずつ違っています。
この記事でご自宅の屋根を塗装する際のポイントへの理解が深まったら嬉しいです。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。