この記事では外壁塗装は何のために必要なのか?について分かりやすく説明します。
今後の我が家のメンテナンス計画に必ず役立ちますので、最後までご覧下さい。
外壁・屋根の塗替え工事を行う目的
外壁・屋根の塗替え工事を行う目的には、下記の6つの要素が含まれます。
- 不具合箇所の早期発見
- 雨漏り・不具合劣化部分の改修
- 表面塗膜の再生
- 美観の再生
- 色の変更
- 付加機能の追加
このように「塗替え工事」とは言っても、実際には単にペンキを塗るだけではありません。
これらの工事内容を含めて正しく外壁や屋根の塗装を行う目的は、「家を安心して過ごせる状態を維持しながら長持ちさせる」ことです。
そして、上記の6つの項目は大きく前半と後半に分類できます。
塗替え工事で劣化を止める
外壁や屋根の塗装をしたい理由の1つは「経年劣化で傷んでしまう部分への対応」です。
塗装で経年劣化への対応をする工事
塗装をする目的のうち、下記の3つは劣化への対応になります。
- 不具合箇所の早期発見
- 雨漏り・不具合劣化部分の改修
- 表面塗膜の再生
建物が経年により劣化してしまう場所と原因
一般的に経年劣化をしてしまうのは以下の部分です。
- 太陽の紫外線が、屋根・外壁の表面を劣化させる
- 紫外線は屋根・外壁の表面を退色させる
- 雨水が劣化した表面に染み込み、素材を劣化させる
- 台風などの強風が、特に屋根を劣化させる
- 地震や車などの揺れによるヒビ・割れから雨水が染み込み、下地の劣化や雨漏りに繋がる
上記のうちの「太陽光による紫外線劣化」は、毎日少しづつ・必ずダメージを加え続けています。
さらに、雨や風は突発的に強力な場合があります。
どの項目も10年間継続的に少しづつでも劣化が進行してしまいます。
現状からの変更
塗装をする目的のうち、下記の3つは現状からの変更になります。
- 美観の再生
- 色の変更
- 付加機能の追加
現状の外観建物が経年により劣化してしまう場所と原因
気分を変えたい・困っていることがある…と言う場合は塗替えで解決できることがあります。
- 家の北面の外壁などは、特にコケなどの繁殖により汚れて見える
- 雨水が外壁を流れる部分は特に、雨筋汚れが付く時がある
- 塗装する色を現状と違う色に変更して気分を変える
- 付加機能付きの塗料で塗る
上記のうちでは、特に外壁が汚れてしまうことへの要望が多いでしょう。
解決策としては、色を濃くする(薄くする)や、汚れにくい性能のある塗料で塗り替える、などがあります。
外壁・屋根の塗替えで行う「各工事内容のポイント」
ではこれから、6つの項目それぞれの工事内容とポイントの概要をお伝えします。
- 不具合箇所の早期発見
- 雨漏り・不具合劣化部分の改修
- 表面塗膜の再生
- 美観の再生
- 色の変更
- 付加機能の追加
① 外壁・屋根の劣化の予防
外壁劣化の予防は、外壁全体のチェックをして不具合が起きそうな箇所を点検する事です。
また、出来るだけ早期発見をして適切な対応をします。
これが不十分だと、その不具合が起き始めてしまうと次回の塗替えまでの期間に被害が広がってしまう可能性が高くなります。
いくら綺麗に塗り上がっても意味がありません。
「塗る事が仕事」だと考える塗装職人が担当すると、劣化の症状を見逃してしまうかもしれません。
見積り時に、きちんと劣化の診断を行う業者に依頼することが大切です。
外壁・屋根で不具合が早期発見できる箇所の例
- モルタル外壁のヒビ割れ
- サイディング外壁の目地の亀裂
- 破風板の継ぎ目コーキングの亀裂
- 帯板上部の劣化・風化
- 屋根の棟板金下地材木の劣化
- 屋根コーキング部分の劣化・風化
工事がおろそかになってしまえばいくら高級な塗料を塗ったとしても意味がありません。
② 雨漏り・不具合劣化部分の改修
雨漏りや不具合・劣化している部分が見積もり段階で分かっている事もあります。
この場合は当然足場を掛けた後で、塗装の前に必要に応じた改修を行わなければいけません。
補修の規模には大小の差がありますので、業者の得意分野・不得意分野も分かれます。
補修の内容に適した業者選びが大切になります。
外壁・屋根で雨漏りが起きてしまう場所の例
- モルタル外壁のヒビ割れ➡室内窓サッシ上部から雨が漏る
- サイディング外壁の目地の亀裂➡室内窓サッシ上部から雨が漏る
- ベランダ床の防水の不具合➡ベランダの裏側に雨染みができる
- サッシ本体の欠陥➡サッシ内側に雨が漏る
- 屋根天窓・天窓廻りのの劣化➡天窓枠廻りなどから雨が漏る
- 屋根ケラバ(端の部分)にゴミが詰まる➡外の軒裏天井部分に雨染みができる
③ 表面塗膜の再生
太陽の紫外線や雨・風などで、外壁や屋根の表面の塗装は必ず劣化しています。
その劣化した表面の塗膜の上かに再び塗料を塗り、新しい保護塗装膜を作り直さなければいけません。
いわゆる「ペンキを塗る」という部分です。
安かろう・悪かろうというレベルの「手抜きでは無い業者」もいるので注意が必要でしょう。
塗替え工事できちんと塗り直したい「外壁・屋根以外のパーツ」の例
- 雨どい
- シャッターボックス
- 軒裏
- 破風板(はふいた)
- 基礎水切り
- バルコニーの床(防水のトップコート)
④ 美観の再生
外壁や屋根の汚れは10年前後で気になる場合と、気にならない場合が家によってまちまちです。
「汚れ」は見た目が良くないのはもちろんのこと、劣化のサインでもあります。
家の外観が気になってきたら、築年数や前回の塗替えからの経過年数を確認すると良いでしょう。
汚れが気になった時に訪問営業マンがたまたま来ると「親切な人」に感じるかもしれませんが、訪問営業マンは親切で来たりしません。
一般的に訪問系の会社で丁寧な工事をする業者は少ないので、必ず見積りは3社程度から取って慌てて契約しないようにしましょう。
外壁・屋根が汚れて見える場所の例
- 北側の外壁(コケが発生する)
- キッチン換気フードの下(油汚れ)
- 24時間換気の下(室内のホコリ汚れ)
- 屋根のコケ(茶褐色・黄色に見える)
- 窓の両端からの雨だれ汚れ
- 雨どい・破風板に付く雨だれ汚れ
⑤ 色の変更
建売り住宅で、そもそもの色が気に入っていない場合や、せっかく塗り替えるなら違う色にしたいという要望も多くあります。
外壁は塗料カタログの色が推奨ですが、その他の色見本帖からも色が選べます。
屋根はメーカー指定の色から選ぶようになります。
色決めを急がせる業者は良い業者とは言えません。
出来れば見積りの時に「色決めの手順」を業者に確認しておくと良いでしょう。
外壁色の変更をする時の注意点
- 見本で選んだ色より完成時の家に塗った色は薄く感じることが多い
- 塗料によっては濃い色が出にくいものもある
- 家のパーツの塗らない部分(サッシ・タイルなど)とのバランスを考慮する
- 現状が濃い色であっても薄い色で塗ることは基本的に出来る
- 小さいカタログ見本帳からは選ばずに、必ずA4 サイズ程度の見本板を作ってもらう
⑥ 付加機能の追加
塗料の開発競争により種類が増え、付加機能付きの塗料もいくつかあります。
業者の営業マンや塗料メーカーのカタログは誇大広告的なものが多いので注意が必要です。
多くは「効果が出ることもある」といった程度で期待した方がガッカリしなくて済みます。
外壁・屋根用塗料の付加機能の例
- 遮熱塗料(太陽光の近赤外線領域を反射させ、屋根表面の温度上昇を抑える)
- 断熱塗料(塗料中に含まれるマイクロビーズにより断熱効果が得られる)
- 対汚染性塗料(静電気の抑制による汚れを寄せ付けない効果と、雨で汚れを流れ落とす効果)
- 表面質感の再生(屋根塗料のみ:表面のザラザラした質感を再現できる)
- 花の香りがする塗料
外壁や屋根の塗り替え工事を行う目的のまとめ
この記事では外壁や屋根の塗り替え工事を行う目的を6つに分類してについて解説をしました。
- 不具合箇所の早期発見
- 雨漏り・不具合劣化部分の改修
- 表面塗膜の再生
- 美観の再生
- 色の変更
- 付加機能の追加
一般の方で塗替え工事をする時にこの6つを思い浮かべて考えられる方は少ないと思います。
工事をいら愛する前に一旦この6つのことを考えてみると「気が付かずに後悔した」といったことが無くなると思います。
是非参考にしてチェックしてみて下さい。